花き輸出戦略のブレーンストーミング with 佐分利京都大学准教授
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    昨日、京都大学の佐分利准教授と日本の花き業界の国際化に取り組む皆さんをまじえて、今後の輸出戦略のブレーンストーミングで議論した内容のエッセンスをすこしご紹介してみましょう。


    1.日本の花の国際ブランド化

     ○キャッチコピーの設定

    日本の花をオールジャパン体勢でブランド化していくことを意識すべきときに来ています。それにはまずは実践者が切花や鉢物にとらわれずにブランド化をすすめるためのキャッチコピーも必要ということで、英語でのゴロのよいコピー案をいろいろ出し合った中で、以下の文言を使ってみようということに…。


    Wow Japan Flowers!  

    日本の花、ワオー!みたいな感じです(笑)

     ※  2月にサンフランシスコで実施した日本の花の展示会で立ち止まる人がみなOh my god!を連発したという話をしたところ、驚嘆の意味の言葉を使ったらどうか?という佐分利准教授のアイディア。

     

    ○ブランド化重点品目の設定

    日本の花の販路はヨーロッパ向け安代りんどう輸出が戦陣を切ったのをスタートに、アメリカ、カナダ、アジア各国にも確実に広がりを見せている。そのなかで、世界的なマーケットにおいて売れている上位品目トップ7(トップ5の切花+日本を代表する鉢物2アイテム)をグローバル展開におけるMUST商材として設定し、今後農水省などに日本の花PRビデオの製作などをお願いしたり、補助事業の活用等で重点的なPRを世界的に展開することが必要。なお、先月来日したニューヨークのバイヤーさんからもブランド化は強く必要性を説かれていて、日本の花のアイデンティティーを明確に示せる5つのアイテムのブランド化が直近でも必要で、10アイテム以上のブランドが定着するとニューヨークでの日本の花の消費は飛躍的に伸びるとのことでした。

    <グローバル展開における7大重要アイテム>

    スイトピー、グロリオーサ、ブルースター、ラナンキュラス、リンドウ、洋蘭鉢物、あじさい鉢物

    <アジア向け地域産品として>

    桜の切花、観葉植物 など?

    ○  海外メディアへの情報提供と記事掲載の働きかけ活動の強化

    日本の花を注目させるにはニューヨークでの名声を確固たる物にし、毎年新しいトレンドをニューヨークから世界に発信するのが最も効果的。

     実際、昨年ニューヨークで実施した日本の花の展示会Naniwa FEX in NY / Japan Bloom Fair USA 2011を訪問したアメリカの大手ウェディング雑誌『BRIDES』の編集長の目に止まったブルースターのハットボックスアレンジが紹介されたことがきっかけで、ラルフローレンの娘さんの結婚式で2500本ものブルースターが使われたり、ティファニーの新作発表会の手みやげとして、同社のテーマカラーと同じ色の花としてブルースターが用いられる等、メディア露出の効果は着実に現れています。


    アメリカのウェディング雑誌『BRIDES』に紹介された日本の花の一例
    (この春にはスターカーネーションが掲載される予定)



      ニューヨークで人気の花をアメリカのウェディングとファッション雑誌の紙面に露出させることで、世界のトップファッションシティーであるニューヨーク発のトレンドとして日本の花の良さを世界にPRするうえで、大きな販促材料となるのです。たとえば、VOOGUEなどのアメリカのファッションマガジンや、BRIDESなどのアメリカのウェディングマガジンがターゲットです。

    BRIDESにはすでに編集長とのダイレクトコミュニケーションがとれるようになっているため、今年は何とかしてVOGUEなどのアメリカのファッション雑誌の編集とのダイレクトコミュニケーションがとれるよう、情報提供活動を展開したい。→どのようなプレゼンをして、どう日本の花を扱えばファッション雑誌に掲載してもらえるか、前に情報収集を行う。ブライダル特集とか?



    ○  外務省地域連携室との連携による在日外国公館の大使・大使夫人の人脈活用

     外国政府の日本大使館の大使・大使夫人に世界で人気の日本の花を贈り、日本の花のすばらしさを本国に紹介してもらうなど、外務省の持つリソースとコネクションを活用できないか? 実は大使夫人は大きな影響力を持っているので、在日外国大使館の婦人を産地視察ツアーに招待するとか?


    2、輸出成功事例を量産し、国内生産者の皆さんに広く情報発信

     輸出成功事例を多く作っていくことで、国内生産者の皆さんの輸出に対する理解と関心を高めていくことができるはず。いまのところ、海外で定着した日本の花き商材としては以下のようなものがあげられます。

    ■現在の輸出成功産地事例:

    りんどう(岩手安代)、グロリオーサ(高知)、スイトピー(宮崎・和歌山・愛知)、ラナンキュラス(宮崎・長野)、ブルースター(高知) など

    ○  輸出実践者団体の全国組織化

     花き輸出には生産者の皆さんの協力が不可欠。輸出成功事例を生産者の皆さんにもっと知ってもらい、花の輸出にもっと関心を持ってもらうためには輸出成功事例の量産とともに成果発表の場を作り、市場をはじめとする全国の輸出実践者と、全国の輸出実践生産者および輸出に関心にある生産者の皆さんとの交流の場を設けて、生産と流通が一体となって輸出に望むことが不可欠なのです。
     国内販売一辺倒で輸入品に押され続けて来た花き生産において、輸出という新しい販路を作ることにより、若手後継者就農のきっかけ作りや新規就農意欲のある次世代の花き生産者の醸成をはかることができると考えられることから、全国横断的な複数の輸出実践者と生産者さんとの活発な交流の場の創出は今後の輸出拡大において大きなキーポイントになると考えられます。


    3.日本の花を熟知する海外のプロフェッショナル人材の育成

     欧米ではフラワーデザイナーやイベント業者等のビジネスが完全に構築されており、コミュニティーもしっかりでき上がっていますが、アジアではプロのデザイナーやイベント業者がこれから育っていく段階にあります。だからこそ、これらプロの人材育成の過程で日本の花を教育プログラムに織り込んでいくことにより、日本の花を身近なものにし、今後のアジアでの花き実需者に対して日本の花の敷居を低くすることで、中長期的な輸出拡大をしやすい環境を事前に構築する。アジアのプロフェッショナルフローリストを育成することは今後のアジア向け日本の花輸出において大きな命題。これは私がアジアで進めて行きたい事業でもありました。



    ○  活用可能と思われる国の事業 
    ・  外務省文化交流事業
    →日本の伝統文化であるいけばなを全面に出す必要がありますが、生け花教育に加えて和モダンと称して日本版のフラワーアレンジ教育も組み込むことも可能? 外務省が行うプログラムなので負担がないのは大きな利点?

    ・  経産省技術研修事業
    →ODA対象国であることが前提のため、香港やシンガポールは対象ではないという難点はありますが、シンガポールから再輸出しているインドネシア、ベトナム、ブルネイなどの東南アジアの若手フローリスト育成に活用できる。


     ○  民間レベルでの交流事事業
    アジア花業界の人材育成を行うことで、日本の花の実需者であるデザイナーやフラワーショップ経営者の日本の花の購入意欲を高めるとともに、日本の花業界との交流を深め、両国の業界人が相互に学び合える民間レベルでの交流事業の実施を模索する。

    (1)日本のフラワースクールのプロフェッショナルコース学生を香港の小売店に派遣し、海外での花屋さんでの現場体験研修を実施。日本のプロ学生さんには海外の花屋の売り場に立つことにより、国際的な感覚を習得してもらうとともに、現地花屋さんのスタッフには日本の花屋さんが実践する水揚げ方法や鮮度管理、在庫管理やアレンジなどを教えることで相互交流を展開。

    (2)シンガポールのフラワーショップオーナーやフラワーデザイナーを対象とした、日本のフラワースクールでのアレンジ教室参加や日本の花市場視察などの産業教育ツアー企画を現地旅行会社のMICE事業部が企画を模索。来年はWorld Flower Councilのサミットが日本で開催されることも決まっており、そういう意味でも良いタイミング。現地フラワースクールと日本のフラワースクールとの連携をマッチングし実現の可能性を模索してみよう。


    ○  農水省の海外販売拠点事業の活用による消費者への日本の花の普及と需要啓発

     欧米とはちがってアジアでは高級花の消費マーケットが成長を始めたばかりであり、農水省が実施する販売拠点事業は日本の花だけを扱うアンテナショップを設置することができることから、日本の花の良さを他国産の花と混ぜることなく正しく情報を伝えることができること、現在安定的に日本の花が買える売店がないなかで、普及広報面でも大きな効果がある。親日的な消費者の多いシンガポールと香港ではアンテナショップは最も有効な実践的広報普及活動である(ただし、食品向け予算のため輸出上位3カ国に入っている香港は残念ながら事業対象国に入っていない)。



    4.国内でのその他アクションプラン

    ・  輸出人気商材の国内マーケット(消費者)へのフィードバックを行う。B to C型のFacebookページを活用。既存のページとして国内ファン1700人以上がいる『美しい日本の花』のFacebookページがすぐに活用できる。すでに日本最大級の消費者向け花き情報発信ページとなっている(http://www.facebook.com/japanflower)。

    ・  上記商材を日本のフローリストさんにも積極的に情報発信していき、海外発のトレンド情報を国内の花き消費トレンド作りにも活用。

    ・海外での日本の花の情報をフラワー関連の雑誌社や新聞社へのプレスリリース投げ込みと掲載依頼を積極的に行い、日本の消費者や小売業界へも広く紹介していく。

    ・  その他、輸出実践者セミナーの別バージョンとして、フローリストさんを対象とした海外で人気の花紹介セミナーを行っても良いかも?

    ・  アメリカ政府により輸入が制限されていた菊のアメリカ向け輸出において、輸出認可を受けるための国内栽培ほ場登録手続きと栽培地検査の手法に関する二国間交渉が3年越しでようやく終結。オランダの菊は輸入全面禁止品のため、うまくいけばアメリカの高級菊の供給は日本が独占できる可能性がでてきた。次は鉢物の検疫問題に着手する。


    今日の輸出戦略関連のブレーンストーミングはこんな話題で盛り上がりました。輸出に携わる生産者代表の八幡さん、IPMエッセン日本政府出展やフロリアードで日本の花の美しさを海外の人たちに伝える日本の花のアンバサダー藤井さん、花き市場協会代表として市場から農水省に出向して花の輸出促進にご尽力いただいた樋口さん、そして農水省花き産業振興室の前室長で京都大学でイノベーションを専門とされている佐分利准教授、そして海外の輸出の現場を飛び回りながら輸出販路構築に取り組む私という、様々な視点から花の輸出を見つめてきた今回のメンバーの皆さんから活発な意見が飛び出す楽しいブレーンストーミングになりました☆


    佐分利さん、みなさん、貴重な時間をありがとうございました!
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