GWJさんのニューズレターを読んで震災後の輸出について考えてみた。
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    毎号楽しみにしているグリーンウィングスジャパン(GWJ)さんのニューズレター最新号がおととい届きました。


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    さて、最新号のニューズレターを読んでいると、ちょっと気になる話題がありました。



    それは、『人と人のつながりの大切さを再認識』JFMAニュース3、4月合併号というトピックス。


    JFMAの小川会長の巻頭言として、震災とどう向かい合い、業界としてどう対応して行くべきかということが抜粋されていました。とても説得力のある巻頭言だなと読み進めていたらちょっと気になる一文が・・・。


    『原発の問題もあり、輸出(海外の消費者)には頼れない面が見えた。やはり国内の消費者、仲間が重要だと言う事が再認識された。コミュニティの大切さも知った。人々のつながりを支え続けなければならない。花を通じて貢献して行きたい。』



    えっと・・・。


    確かに、香港のように震災後の放射能汚染への懸念から輸出が止まっていた国があったことは事実です。でも、それが全てではないのに、輸出には頼れない、国内消費者、仲間が重要だと言う事が再認識されたと断言していいのでしょうか?


    そんな疑問を覚えながら、震災後の切花輸出データの整理をしてみました。


    貿易統計上でもいずれ明らかにされることなので、現在我が国の切花輸出において最大の貿易相手国であるアメリカ向けの第1四半期の実績を集計してみると・・・




    グラフを見る限り、確かに震災のあった3月は金額ベースで昨年対比96%に減っていますが・・・?


    しかし、これは風評というよりも震災後の復旧資金需要を見越して戦後最大の円高となったことによって、アメリカのバイヤーたちがFOB価格(国内価格)で1本300円を超える『超』高単価商品に手を出せなくなったことによるところが大きいのです。一時76円台にまで円高が進行したというインパクトは、現地のバイヤーにはとても強烈に映ったそうです。とはいえ、実際には数量ベースでは震災直後の3月でも148%に伸びています


    実は震災前の2月も極度に円高が進行し、高額商品にもかかわらずバレンタイン需要で大量に売れていた高額商品の需要が極端に減ったという似たような経験をしています。昨年沢山売れた高額商品の受注が伸び悩む中で、提案アイテム数を昨年の倍にしたり、人気のある商材グループの提案品種数を大幅に増やすなどの積極的なアイテム提案に舵を切ったことを今でも覚えています。


    その結果、スイトピーや宮崎産のラナンキュラスが今年のバレンタインデーでフィーバーし、昨年売れ筋だった高額商材の落ち込みをカバーしてくれました。そして最終的には、2月は金額ベースで昨年比13%プラス、数量では22%プラスという結果になっています。


    この2年間、アメリカのバイヤーの日本の花の消費動向を見てきましたが、アメリカ向け輸出で一番影響を受けるのは極度の円高なんです。放射能ではなくて・・・。



    円ドル相場の推移。12月のクリスマスと2月のバレンタインデー
    も円高に苦しんだが3月の震災後の円高がどれだけ強烈なイン
    クトがあったかチャートを見れば一目瞭然でわかると思います。



    震災のあった3月下旬はこれまで輸出量増加の牽引役だったスイトピーとラナンキュラスの出荷量が減った事もあり、輸出金額こそ昨年対比で4%ほど下回る実績となりましたが、これは戦後記録を更新する円高による高額商材の受注減によるもので、実際には数量ベースでは5割近く伸ばしているのです。


    逆に言うと、震災後も円高の影響を受けやすい『超』高級品以外の商品では輸出を大幅に伸ばしている訳で、実際に昨年にくらべて数量ベースでは輸出が大幅に増えた事で、昨年以上に単価が安定した生産者さんもいらっしゃいます。


    そして、アメリカ向けの震災後の輸出数量の伸びを見る限り、震災後に香港向けに止まっていた期間の昨年の輸出実績を吸収するどころか、むしろ切花全体の輸出数量は昨年よりも伸びていると思います。


    アメリカについては、3月に来日されたアメリカのバイヤーさんたちの中には日本で実際に被災された方もいらっしゃいますし、帰国されてから慈善団体に寄付をしていただいたバイヤーさんもいらっしゃいます。そして、帰国後も彼らなりに如何に日本の生産者の皆さんを支えようかと、何度も現地サイドで議論を交わしたそうです。普段は商売敵の卸の経営者さんたちが、ですよ・・・。


    そんななかで、彼らが考えた日本の花き生産者の皆さんへの支援の形は『昨年以上に買い続ける事』でした。


    その結果、昨年まではバレンタインデーが終わると、翌年のバレンタインデー前まで週1回の輸出になっていたアメリカ向け輸出ですが、今年は今でも週2回をキープできています。つまり、輸出するチャンスは昨年と比べて倍になったわけです。


    震災後に私がNYに渡航してバイヤーさんたちと話をしたときも、『多額の寄付を慈善団体にするのも支援の仕方だけど、自分たちは日本の花の生産者の皆さんに直接キャッシュが行き渡るような支援がしたい』というのが皆さんの意見でした。



    震災後の原発問題が深刻化した後の4月に行ったNYでの
    バイヤーさんたちとのディナーミーティングでの1コマ。
    こんな時だからこそと日本食レストランを選んでくれた。



    この彼らの熱い想いに助けられ、戦後初の過激な円高により『超』高級商材を大量に買えなくはなったものの、一般的な価格帯の商品でこれまで試していなかった草花系の商材を多種にわたり試してくれるようになったことで、輸出できる商材の幅も一気に増えました。


    そして、4月のアメリカ向け輸出実績の集計をしてみたら、輸出量で昨年対比202%、金額でも昨年対比135%という、大幅増という結果になっています。


    確かに、風評被害が無いわけではありません。実際、どこの卸業者も去年に比べて1回あたりの購入額は減っています。


    しかしながら、出荷を週2回に増やしたことで、震災後も変わらず日本の花を使っていただいている現地の需要者たちに対しては、週始めの生け込み需要と週末販売需要という、1週間のなかでの2つのピーク需要をカバーできるようになったこと、そして昨年よりも販売先が増えていることがこの結果に繋がったのと思います。


    このデータから何が言えるかというと、小川会長がおっしゃっていた『輸出には頼れない、国内消費者、仲間が重要だと言う事が再認識された』というのは、アジア最大の日本の花のお得意様である『香港という1つの輸出先に対してのみ』述べられたコメントなのだろうということです。輸出相手国全ての状況把握をすることなく、おそらく人づてに聞いたごく限られた情報をもとに・・・。

    でも、むしろ『輸出には頼れない』どころか、震災直後から続いた国内の市場単価の低迷の混乱の中で、実は『アメリカの花き業界に少なからず助けられていた』のです。


    中にはこの小川会長のお言葉を読まれた花き生産者の中には、輸出に対して少し後ろ向きな思いを持ち始めている方もいらっしゃるかもしれません。私はそれが一番心配・・・。


    この一言だけを聞いて「輸出はもう駄目」とすぐに結論づけてしまう方はいらっしゃらないとは思いますが、影響力をもつ立場にある方が事実関係の分析なく、あっさりと断言されたことには少し抵抗を感じざるをえません。


    現地の現場で流れている空気を感じるチャンスもなく、人づてにネガティブな話ばなり会ってくる状態で判断せざるを得ないのなら私もそう思ったのかもしれませんが。でもそれは、中国にあって報道の自由が保障されている香港で流れている放射能汚染に対する『厳選された』ネガティブなニュースのつまみ食い報道(現地ではこの報道姿勢が風評被害の要因になっています)によると何ら変わらない訳で・・・。


    これじゃ、国内で輸出のネガティブキャンペーン張ってるようなものじゃないですか?
    かつてJFMAも輸出に積極的だったはずだし、今でも全国花き輸出拡大協議会に役員も派遣されていたような・・・。


    でも、私はいまでも今年も切花輸出も鉢物輸出も増えて行くと予想しています。なぜなら、新しい販路は確実に増えているし、輸出可能な商材も確実に増えているからです。



    なので、生産者の皆さま、安心してください!

    精神論で頑張れば何とかなると言っている訳ではなく、ちゃんと実践で結果を出せていますから・・・。



    なにわ花いちばやオークネットをはじめとする複数の大手花き卸売市場が切花輸出販路拡大に一生懸命取り組んでいますし、鉢物最大手の豊明花き市場ではこれまで誰も実現していなかった鉢物の周年輸出に今でも継続して取り組んでいます。


    そして、アジアで唯一レギュラーベースで花の輸出が行われていた香港についても、先週から輸出が再開されました。そして、民間レベルでは現地に輸出する花卸が垣根を越えて連携し、現地での風評被害への対策のためのアクションをすでに起こしています。



    香港の売店に掲示された『支持日本』のバナー



    このような現場の動きをご存知の方なら、『輸出には頼れない』という言葉は絶対に出てこないと思うのです。『国内消費者、仲間が重要だという事』はもちろんですが、国内での消費拡大とともに海外での販路も広げて行く事で、国内の花き業界が活性化して行くんじゃないかな?って思います。


    でも、この記事を読んだおかげで震災後の切花輸出の状況をじっくり分析してみようという気持ちになれました。そして、確かにアジアでは風評被害が強くても、関係者が皆で現場で汗をかきながら販路開拓をこれまで通り進めて行けば、間違いなく切花と鉢物の輸出は増えて行くに違いないという確信をえることができました。


    小川先生のお言葉に巡りあう機会を作ってくださった、グリーンウィングスジャパンさんのニューズレターに感謝☆



    事件は現場で起きている・・・


    私たちは机上での分析や評論はせず、その現場で出来る限りのアクションを継続的に実践して行くことを第一に考えています。


    人づてに聞いた事や、ネットで検索した情報をもとに理論を立てていくのも一つの方法。


    でも、やっぱり海外の現場でバイヤーや消費者の人たちと日頃から接している私たちには、どうしても机上の理論と現場で感じる事の間に隔たりを感じてしまいます。


    やはり現場を知り、現場の実態に沿った行動計画を耐えて行動することが一番大切・・・。


    先週の香港では、実際に放射能を気にする消費者の言葉にしゅんとなってしまった場面もあったけれど、人の考えは十人十色。いちいち気にして立ち止まってはいられません。


    先週の香港での日本の花のチャリティー販売の様子



    そして、小川先生のおっしゃっていたコミュニティーの大切さ、人々のつながりいついては、輸出でも同じくとても大切な事だと思います。


    私たちの行う花の輸出では、日本の花を愛する世界の人たちとのつながり、そしてコミュニティー作りがとても大切。


    これについては、すでに展開しているFacebook公式ページでの情報発信と、人の輪作りをこれまで以上にがんばろうと思います。1月に2000人だったファンの数も今では4400人近くにまで膨らんできたので、年内に5000人を超えるファンがつながるネットワークにできればいいなと考えています。

    世界中に広がるFACEBOOKファンページ上の日本の花のファン
    居住地や言語などの上位が確認できる便利な機能があります。
    最近の注目はアジアと中東のファンが急激に増えていること。
    (ブルームジャパンネットワークの英語版ファンページより)


    とにかく、一つ一つ地道な活動を継続して行けば、確実に良い結果が導きだされるはずです☆


    花の輸出に携わっている皆さん、みんなで力を併せてがんばりましょう!
    輸出においては国内のような競合もないわけですし・・・。


    そして、生産者の皆様、花の輸出は決して後退していませんよ!

    これからも皆で輸出できる商品をどんどん増やす努力とアクションを継続してゆきますので、ぜひとも変わらぬご協力をよろしくお願いいたします!



    JUGEMテーマ:マーケティング

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